書籍『総動員の時代』を出版したのを機に、2008年8月に岡山市内でパネル展示会を開催しました。そこで展示した主なパネルをホームページの載せましたので、ご覧ください。
またパネルの貸し出しもしていますので、必要な方は「連絡先」までご一報ください。
1.精神の動員
(1)戦争遺跡:学校・神社・吉備修練道場戦後60余年がたちました。敗戦のときに入隊した20歳の若者が今や80代も半ばとなり、社会を担う現代世代はほとんどが戦後世代に置き換わりました。戦争の事実を継承しその教訓を現在と未来に生かす努力をよほどしないかぎり、かつての戦争の記憶が風化するのは当然といえるでしょう。
岡山・十五年戦争資料センターは今年、発足10周年を迎えました。この間、地域に根ざした多様な事実を掘り起こし、戦争観、歴史観、にかかわる調査や報告をしてきました。それは一面で、戦争へ人も物資も精神までも、なにもかもが動員されたことを再確認する過程でもありました。
また、この10年は、周辺事態法をはじめ、国旗、国歌法、盗聴法、テロ対策特別措置法、一連の有事関連法、改定教育基準法、国民投票法と、矢継ぎ早に「国民監視・動員システム」(纐纈厚氏)の整備が進められ、まさに現代日本の「総動員体制」整備の10年間であったといえます。そこで発足10周年記念行事として「総動員」をメインテーマとしてパネル展と講演会が開催します。
戦時中、岡山の人たちはじつに多様な国民動員の網を幾重にもかぶされていました。しかしそのあまりにも膨大な事実の前に、私たちは焦燥感にかられるのみで、展示できたのは全体像のほんの一部にすぎません、しかし、展示された限られた事実ですら、じつに多くのことを私たちに語ってくれるでしょう。
それではごゆっくりとご覧ください。
2008年8月2日
岡山・十五年戦争資料センター
パネル展・講演会実行委員会
2008年8月2日から9日、岡山市立西川アイプラザで、「岡山・総動員の時代―私たちはこうして戦争に呑みこまれた―」をテーマにしたパネル展示会が岡山・十五年戦争資料センター主催で開催されました(岡山展)。その後パネルの貸し出しを行ない、岡山県内の数箇所でパネルの展示が実施されました。
また、中国関係の華北での掃討戦・中国人強制連行・満蒙開拓団の合計66点のパネルが中国語の翻訳をつけ、翌09年9月から南京展(南京民間抗日戦争博物館・南京師範大学・三江学院・南京工業大学)が開催されました。